2026年8月17日
美容サロンからのキャンセル料請求依頼、4年で4倍に
—「泣き寝入り」から「請求」へ
弁護士運営のキャンセル料回収サービス、累計6.5万件・総額5.8億円の依頼データから見た実態。
キャンセル料の督促・回収サービス「ノーキャンドットコム」(運営: 弁護士北周士・法律事務所アルシエン)は、美容サロン(美容室・ネイル・アイラッシュ・エステ等)からのキャンセル料請求依頼データ約6.5万件(2019年12月〜2026年8月)を集計した実態調査を公表します。
ノーキャンドットコムを利用した無断キャンセル・直前キャンセルへのキャンセル料請求は4年間で約4倍に増加しており、これまで「泣き寝入り」が当然とされてきた美容業界で、キャンセル料を請求するという選択が広まりつつあると思われます。
調査結果1:ノーキャンドットコムに対するキャンセル料の請求依頼は4年で約4倍
年別の請求依頼件数は、2022年の5,045件から2025年には19,548件へと約4倍に増加。
2026年は8月10日までで14,556件と、年換算で約2.2万件のペースに達しています。
| 年 | 請求依頼件数 |
|---|---|
| 2020年 | 906 |
| 2021年 | 1,926 |
| 2022年 | 5,045 |
| 2023年 | 8,891 |
| 2024年 | 14,216 |
| 2025年 | 19,548 |
| 2026年(8/10まで) | 14,556 |
調査結果2:累計6.5万件・総額5億8,000万円。依頼した事業者は3,050者
累計の請求依頼は65,107件、請求総額は約5億8,300万円、依頼した美容関連事業者は3,050者(店舗数ベースで3,583店)にのぼります。1件あたりの平均請求額は8,960円(中央値6,600円)でした。
なお本調査は「店舗が実際に請求を依頼した案件」のみの集計であり、請求に至らず泣き寝入りしているケースは含まれていません。
無断キャンセル・直前キャンセルによる被害の全体は、この数字を大きく上回るものと考えられます。
調査結果3:直近1年だけで2.3万件・2億円超
直近1年間(2025年8月〜2026年8月)の請求依頼は23,363件・約2億140万円、依頼事業者は2,091者。請求の一般化は現在も加速しています。
背景と考察(運営弁護士コメント)
調査概要
- 調査主体: ノーキャンドットコム(運営:弁護士 北周士)
- 対象データ: ノーキャンドットコム美容版に登録された美容関連事業者からのキャンセル料請求依頼(重複除外後65,107件)
- 期間: 2019年12月24日〜2026年8月10日
- 集計方法: 依頼データの統計処理(個別の店舗・予約者を特定できる情報は含まない)
運営者概要
ノーキャンドットコム(https://noshow.life/ ほか美容版・宿泊版)
飲食店・美容サロン・宿泊施設の無断キャンセル・直前キャンセルに伴うキャンセル料の督促・回収を、弁護士が行うサービス。2019年開始。
登録店舗数5,610店(2026年8月時点、飲食938・美容4,666・宿泊104)。
運営:弁護士 北 周士(東京弁護士会)
法律事務所アルシエン(東京都千代田区)
本件に関する取材のお問い合わせ:ノーキャンドットコム「美容版」お問い合わせフォーム
美容サロンの無断キャンセル・直前キャンセルは、材料の仕入れや施術枠の確保といった実費に加え、その時間に入れられたはずの他のお客様の機会を奪う実損です。
かつては『請求しても仕方ない』という諦めが業界の常識でしたが、この4年でサロン側の意識にキャンセル料の請求という選択肢が生まれつつあるのだと思われます。
サロンの皆様には、予約時にキャンセルポリシーが表示される導線の整備と、予約記録の保存をお勧めします。
お客様の側も、行けなくなったときに必ず事前に連絡を入れ、どうしても連絡ができなかったときは事後速やかに連絡を入れることが、トラブルを最も小さくします。
弁護士 北 周士